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ルイヴィトンm93522モノグラムヴェルニアマラントジッピーウォレット編集

 拓一は、くるりと会衆に背を向け、司会者に目を向けた。 「いや、ひとことだけ言わせてもらう」 「しかし、時間も迫っておりますれば……」 「若僧ひっこめ!」  片隅から、誰かが叫んだ。と、うしろから、 「聞こうじゃないか!」  という声が飛んだ。 「場ちがいだあっ!」  誰かがまた叫ぶ。耕作はいても立ってもいられぬ思いだ。 「司会者ひっこめー!」 「若僧ひっこめー!」  必ずしも、全員復興反対の者ばかりではない。たちまち場内は騒然となった。あれを言いこれを叫び、収拾がつかない。その怒号の中に、拓一は仁王立ちに立って微動だにしない。  先ほど、一番筋の通る話をした壇上の弁士が、つと立ち上がり、司会者を手招きし、何か耳にささやいた。と、聴衆が少し静かになった。司会者は口をひらき、 「では、なるべく短めにお話し下さい」  と、迷惑そうに拓一を促した。拓一は悪びれずに話をつづけた。 「ぼくは、命をかけても復興する。一応の科学的な調査も進んでいることだから、ぼくはこれを暴論だとは思わない。先ほど弁士の中に、枯れ木に水をやる馬鹿はいないと言った人がいる。ぼくは断じて、あの土は枯れ木ではないと信じている」 「枯れ木だぞおっ!」  またやじが飛ぶ。
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